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甲種危険物取扱者の過去問と解説(法令)

甲種危険物取扱者の過去問と解説(法令)
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甲種危険物取扱者の過去問(法令)について解説します
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甲種危険物取扱者の過去問と解説(化学・物理) 甲種危険物取扱者の過去問と解説(法令)

【問1】危険物の性質

問1

法に定める各類の危険物の性質、品名について、次のうち誤っているものはどれか。

1. 第1類の危険物は酸化性個体で、塩素酸塩類、亜塩素酸塩類等がある
2. 第2類の危険物は可燃性固体で、硫黄、黄りん等がある
3. 第3類の危険物は自然発火性物質及び禁水性物質で、カリウム、アルキルアルミニウム等である
4. 第5類の危険物は自己反応性物質で、硝酸エステル類、ジアゾ化合物等がある
5. 第6類の危険物は酸化性液体で、硝酸、過酸化水素等がある

危険物の各類の性質に関する問題です。各種の性質について再確認しましょう。

 

【正答2】

1. 第1類の危険物は酸化性個体で、塩素酸塩類、亜塩素酸塩類等がある・・・✕

酸化性の物質が該当するのは第1類と第6類です。
また、塩素酸塩類、亜塩素酸塩類は第1類に分類されています。

2. 第2類の危険物は可燃性固体で、硫黄、黄りん等がある・・・○

第2類は可燃性固体です。
しかし、黄りんは第3類(自然発火性物質・禁水性物質)に分類されるので誤りです。
なお、赤りんは第2類に分類されますので、注意が必要です

3. 第3類の危険物は自然発火性物質及び禁水性物質で、カリウム、アルキルアルミニウム等である・・・✕

正しい記述です。

4. 第5類の危険物は自己反応性物質で、硝酸エステル類、ジアゾ化合物等がある・・・✕

正しい記述です。

5. 第6類の危険物は酸化性液体で、硝酸、過酸化水素等がある・・・✕

正しい記述です。

 

【問2】危険物の指定数量

問2

法令上、次に示す危険物を同一の製造所で貯蔵し、又は取り扱う場合、指定数量の倍数として正しいものはどれか。

鉄粉・・・500 kg
硝酸・・・1500 kg
アセトン・・・2000 L

1. 11倍
2. 16倍
3. 20倍
4. 25倍
5. 26倍

1つの製造所で複数の危険物を扱う場合の指定数量の計算方法についての問題です。
危険物の各類の指定数量及び、計算方法を確認しましょう。

【正答1】
指定数量の倍数は以下の式で表されます。

指定数量の倍数=扱う危険物の量÷その危険物の指定数量

鉄粉は第2類危険物で危険等級IIIに分類され、指定数量は500 kgです。
よって今回の問題の500 kgは指定数量の1倍となります。

硝酸は第6類危険物で危険等級Iに分類され、指定数量は300 kgです。
よって今回の問題の1500 kgは指定数量の5倍となります。

アセトンは第4類危険物のうち、第1石油類(水溶性)に分類され、指定数量は400 Lです。
よって今回の問題の2000 Lは指定数量の5倍となります。

1つの製造所で複数の危険物を扱う場合、指定数量の倍数はそれぞれの危険物毎に計算した後、それらを加算して算出します。
今回の問題では、鉄粉1倍+硝酸5倍+アセトン5倍=11倍となります

【問3】予防規定

問3

法令上、指定数量の倍数に関わらず予防規定を定めなければならない製造所等は、次のうちはどれか。

1. 製造所
2. 屋外貯蔵所
3. 屋外タンク貯蔵所
4. 屋内給油取扱所
5. 地下タンク貯蔵所

予防規定を必要とする製造所等に関する問題です。

【正答4】
予防規定が必要になる指定数量の倍数は以下のとおりです。
1. 製造所・・・10倍以上
2. 屋外貯蔵所・・・100倍以上
3. 屋外タンク貯蔵所・・・200倍以上
4. 屋内給油取扱所・・・指定数量に限らず全て
5. 地下タンク貯蔵所・・・予防規定は不要

 

【問4】保有空地

問4

法令上、一定の空地を保有しなければならない旨の規定が設けられているものだけを掲げているのはどれか。

1. 屋外タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、屋外貯蔵所
2. 製造所、屋外タンク貯蔵所、屋外貯蔵所
3. 製造所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所
4. 製造所、移動タンク貯蔵所、屋外タンク貯蔵所
5. 一般取扱所、第2種販売取扱所、屋外貯蔵所

保有空地が必要な製造所等に関する問題です。

【正答2】
保有空地が必要な製造所等は製造所、屋外貯蔵所、屋外タンク貯蔵所、屋内給油取扱所、地下タンク貯蔵所です。

 

【問5】消火設備

問5

法令上、危険物とその消火に適応する消火器との組合せについて、次のうち誤っているものはどれか。

第5種消火設備

(消火器)

第4類危険物 第5類危険物 第6類危険物
1 二酸化炭素
2 強化液(霧状)
3 水(棒状)
4
5 粉末(りん酸塩類等)

注:表中の○印は、消火設備がそれぞれ適応するものであることを示す。

危険物の類により使用可能な消火器を問う問題です。

【正答5】

第5種消火設備
(消火器)
第4類危険物 第5類危険物 第6類危険物
二酸化炭素
強化液(霧状)
水(棒状)
粉末(りん酸塩類等)

粉末(りん酸塩類等)の消火器は第5類危険物には使用できませんが、第6類危険物には使用が可能です。

【問6】屋外タンク貯蔵所

問6

法令上、第1類石油類を貯蔵する屋外タンク貯蔵所の防油堤の技術上の基準について、次のうち誤っているものはどれか。

1. 1基の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量は、当該タンクの容量の100%以上としなければならない。
2. 防油堤の高さは、0.5 m以上としなければならない。
3. 防油堤は土又は鉄筋コンクリートで作らなければならない。
4. 原則として、防油堤を貫通して配管を設けてはならない
5. 高さが1 mを超える防油堤には、堤内に出入りするための階段を設置し、又は土砂の盛上げ等を行わなければならない。

屋外タンク貯蔵所の防油堤に関する問題です。
防油堤の設置基準を確認しましょう。

【正答1】
1. 1基の屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の容量は、当該タンクの容量の100%以上としなければならない。・・・✕

防油堤の容積は当該タンクの容量の110%以上とする必要があります。

2. 防油堤の高さは、0.5 m以上としなければならない。・・・○

正しい記述です。

3. 防油堤は土又は鉄筋コンクリートで作らなければならない。・・・○

正しい記述です。
危険物が漏れ出ないような素材で造る必要があります。

4. 原則として、防油堤を貫通して配管を設けてはならない・・・○

正しい記述です。
防油堤を貫通した配管があると、配管の穴を通じて危険物が漏れ出てしまう可能性があります。

5. 高さが1 mを超える防油堤には、堤内に出入りするための階段を設置し、又は土砂の盛上げ等を行わなければならない。・・・○

正しい記述です。

屋外タンク貯蔵所

【問7】給油取扱所

問7

法令上、給油取扱所に給油又はこれに付帯する業務のための用途に供する建築物として設置することができないものは、次のうちどれか。

1. 自動車等に給油するために出入りするものを対象とした飲食店
2. 自動車等の洗浄のために出入りするものを対象とした店舗
3. 給油取扱所の管理者が居住する住居
4. 自動車等の点検・整備を行う作業場
5. ガソリンの詰替えのための作業場

給油取扱所(ガソリンスタンド)に設置できる設備を問う問題です。

【正答2】
1. 自動車等に給油するために出入りするものを対象とした飲食店・・・○

ドトール(喫茶店)などが併設されたガソリンスタンドを見たことがないでしょうか。
ガソリンスタンドの横に飲食店を設置することは可能です。

2. 自動車等の洗浄のために出入りするものを対象とした店舗・・・○

セブンイレブン(コンビニ)などが併設されたガソリンスタンドのことです。

3. 給油取扱所の管理者が居住する住居・・・○

居住区を設置することも可能です。

4. 自動車等の点検・整備を行う作業場・・・○

ガソリンスタンドで点検や整備(タイヤ交換など)を行っているところも結構ありますよね。
この記述も正しいです。

5. ガソリンの詰替えのための作業場・・・✕

ガソリンの詰替え作業場は設置ができません。
ガソリンスタンドには灯油を詰め替える作業場があり、その引っ掛け問題といったところでしょうか

【問8】仮使用

問8

法令上、仮使用に関する次の文の下線部分【A】~【C】について、正誤の組合せとして正しいものはどれか。
「製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更する場合において、当該製造所、貯蔵所又は取扱所のうち当該変更の【A】工事に係る部分の全部又は一部について【B】所轄消防長又は消防署長の【C】承認を受けたときは、完成検査を受ける前においても、仮に、当該【C】承認を受けた部分を使用することができる。」

A B C
1
2
3
4
5

注:表中の○は正、✕は誤を表すものとする。

製造所等の仮使用に関する問題です。

【正答4】
【A】・・・✕
仮使用できるのは工事に係る部分以外の箇所(事務所や会議室など)です

【B】・・・✕
許可権者は市町村長等になります

【C】・・・○
仮使用で与えられるのは承認です

【問9】許可の取り消し

問9

法令上、市町村長等から製造所等の許可の取消し又は使用停止を命ぜられる事由に該当しないものは、次のうちどれか。

1. 法令で定める定期点検の時期を過ぎたが、外観上以上がないので、点検時期を次年度に延長することとした。
2. 貯蔵し、又は取り扱う危険物の数量を変更しないで、製造所等の危険物を取り扱うポンプ設備を、許可を受けずに増設した。
3. 配管の漏えい部分の改修を命ぜられたが、改修の履行期間を過ぎても、そのまま使用を継続した。
4. 製造所等の構造の変更工事が完成したので、完成検査を受ける前に使用を開始した。
5. 製造所等の位置、構造及び設備の変更を要しない範囲で危険物の品名及び数量を変更したが、届出を行わなかった。

監督処分に関する問題です。

【正答5】

1. 法令で定める定期点検の時期を過ぎたが、外観上以上がないので、点検時期を次年度に延長することとした。・・・○

定期点検が実施されていない場合は許可が取消しになります。
点検されていない設備で危険物を扱わせるわけにはいかないですよね。

2. 貯蔵し、又は取り扱う危険物の数量を変更しないで、製造所等の危険物を取り扱うポンプ設備を、許可を受けずに増設した。・・・○

無許可で設備を変更した場合は許可が取消しなります。
無許可の設備を使用してはいけません。

3. 配管の漏えい部分の改修を命ぜられたが、改修の履行期間を過ぎても、そのまま使用を継続した。・・・○

措置命令を無視して設備を使用してはいけません。
監督機関の措置命令(注意)を無視して操業したら、当然許可が取り消されます

4. 製造所等の構造の変更工事が完成したので、完成検査を受ける前に使用を開始した。・・・○

完成検査前に設備を使用してはいけません。

5. 製造所等の位置、構造及び設備の変更を要しない範囲で危険物の品名及び数量を変更したが、届出を行わなかった。・・・✕

上記の義務違反に対して措置命令が発せられる可能性がありますが、許可の取消しまではならないレベルです。

【問10】危険物保安監督者

問10

法令上、危険物保安監督者を定めなければならない製造所等は、次のうちどれか。

1. 灯油を5,000 L貯蔵している屋内タンク貯蔵所
2. 灯油を指定数量の40倍貯蔵している屋内貯蔵所
3. ガソリンを20,000 L貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所
4. 指定数量の25倍の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵所
5. 重油を指定数量の15倍貯蔵している地下タンク貯蔵所

危険物保安監督者が必要な製造所等に関する問題です。

【正答2】
1. 灯油を5,000 L貯蔵している屋内タンク貯蔵所・・・✕

灯油は第4類危険物で、引火点は45℃となっています。
屋内タンク貯蔵所で第4類危険物を扱う場合、
引火点が40℃以上であれば危険物保安監督者は不要ですが、
40℃未満の危険物の場合は危険物保安監督者が必要になります
※指定数量の倍数に限らず引火点で決まります
よって、問題文の状況では危険物保安監督者は不要となります。

2. 灯油を指定数量の40倍貯蔵している屋内貯蔵所・・・○

屋内貯蔵所で第4類危険物を扱う場合、
引火点が40℃未満の危険物の場合は指定数量の倍数に限らず危険物保安監督者が必要です
引火点が40℃以上の場合、指定数量が30倍超の場合に危険物保安監督者が必要です
よって、問題文の状況では危険物保安監督者は必要となります。

3. ガソリンを20,000 L貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所・・・✕

移動タンク貯蔵所には危険物保安監督者の選任は不要です。
なお、ガソリンは第4類危険物で引火点は300℃、指定数量は200 Lとなっています。

4. 指定数量の25倍の危険物を貯蔵し、又は取り扱う屋外貯蔵所・・・✕

屋外貯蔵所は危険物の類に依らず、指定数量の30倍超を貯蔵する場合に危険物保安監督者の選任が必要です。
よって、問題文の状況では危険物保安監督者は不要となります。

5. 重油を指定数量の15倍貯蔵している地下タンク貯蔵所・・・✕

地下タンク貯蔵所は危険物の類に依らず、指定数量の30倍超を貯蔵する場合に危険物保安監督者の選任が必要です。
よって、問題文の状況では危険物保安監督者は不要となります。

なお、製造所・屋外タンク貯蔵所・移送取扱所・一般取扱所は指定数量の倍数に関係なく危険物保安監督者の選任が必要です。

詳しくはこちらで確認できます。

 

【問11】移動タンク貯蔵所

問11

法令上、危険物を貯蔵する場合の技術上の基準において、移動タンク貯蔵所に備え付けておかなければならない書類に該当しないものは、次のうちどれか。

1. 完成検査済証
2. 定期点検の点検記録
3. 危険物貯蔵所譲渡引渡届出書
4. 危険物保安監督者選任・解任届出書
5. 危険物貯蔵所品名、数量又は指定数量の倍数変更届出書

移動タンク貯蔵所に備え付けておかなければならない事項に関する問題です。

【正答4】
そもそも、移動タンク貯蔵所には危険物保安監督者の選任は不要なため、選任・解任届出書も不要になります。

それ以外の書類に関しては備え付けが必要なものになります。

移動タンク貯蔵所はタンクローリー等の車両になるので、事務所に置いていては行けないということになります。

 

【問12】危険物の貯蔵

問12

法令上、製造所等における危険物の貯蔵及び取扱いの技術上の基準について、次のうち誤っているものはどれか。

1. 製造所等においては、許可若しくは届出に係る品名以外の危険物であっても、危険性の少ないものであれば貯蔵することができる。
2. 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合においては、当該危険物が漏れ、あふれ、又は飛散しないように必要な措置を講じなければならない。
3. 可燃性の液体又は可燃性の蒸気が滞留するおそれのある場所では、電線と電気器具とを完全に接続し、かつ、火花を発する機械器具、工具、履物等を使用してはならない。
4. 危険物を収納した容器を貯蔵し、又は取り扱う場合は、みだりに転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずる等粗暴な行為をしてはならない。
5. 危険物を貯蔵し、又は取り扱う建築物は、当該危険物の性質の応じ、遮光又は換気を行わなければならない。

貯蔵と取扱に関する問題です。

【正答1】
危険物が少量であればokという記述はどこにも出てきません。
まして、少量という微妙な表現は規制では使われないでしょう。
他の選択肢は常識的に考えても正しい文章ですね。

【問13】危険物の運搬

問13

法令上、危険物を車両で運搬する場合、次のうち正しいものはどれか。

1. 類を異にする危険物の混載は、一切禁止されている。
2. 運搬容器の材質、最大容積については、特に基準はない。
3. 指定数量未満の危険物を運搬する場合であっても、運搬に関する基準が適用される。
4. 金属製ドラムで危険物を運搬する場合は、収納口を側方に向けて積載できる。
5. 指定数量以上の危険物を運搬する場合は、すべて市町村長等に届け出なければならない。

危険物の運搬に関する問題です。

【正答3】
1. 類を異にする危険物の混載は、一切禁止されている。・・・✕

原則は類を異にする危険物の混載は禁止ですが、一部の危険物は混載が可能です。
よって、誤った記述です。

運搬時に混載可能な危険物

2. 運搬容器の材質、最大容積については、特に基準はない。・・・✕

運搬容器は鋼板やアルミニウム板、ガラスなど腐食しない材料である必要があります。
よって、誤った記述です。

3. 指定数量未満の危険物を運搬する場合であっても、運搬に関する基準が適用される。・・・○

正しい記述です。

4. 金属製ドラムで危険物を運搬する場合は、収納口を側方に向けて積載できる。・・・✕

積載方法は容器に関わらず収納口を上に向ける必要があります。
よって、誤った記述です。

5. 指定数量以上の危険物を運搬する場合は、すべて市町村長等に届出なければならない。・・・✕

すべて届出をする必要はありません。
よって、誤った記述です。

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それではみなさん、ごきげんよう!