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甲種危険物取扱者の過去問と解説(化学・物理)

甲種危険物取扱者の過去問と解説(化学・物理)
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甲種危険物取扱者の過去問(化学・物理)について解説します
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甲種危険物取扱者の過去問と解説(法令) 甲種危険物取扱者の過去問と解説(性質)

【問14】燃焼の種類

問14

次の物質の組合せのうち、常温(20℃)、1.013×105 Pa(1気圧)において、いずれも通常、表面燃焼するものはどれか。

1. メタノール、アルミニウム粉

2. エタノール、ガソリン

3. 木炭、アルミニウム粉

4. 木炭、木材

5. 木材、ガソリン

燃焼の種類についての問題です。

表面燃焼するのは固体だけです。

また、固体の燃焼は蒸発燃焼、分解燃焼、表面燃焼と分類されますので、代表例は押さえておきましょう。

 

【正答3】

燃焼の種類

1. メタノール、アルミニウム・・・✕

メタノールは液体であり蒸発燃焼をします。

アルミニウム粉は固体であり、金属粉は表面燃焼をします。

 

2. エタノール、ガソリン・・・✕

エタノールもガソリンも液体であり蒸発燃焼をします。

 

3. 木炭、アルミニウム粉・・・○

木炭、アルミニウム粉はともに固体であり、表面燃焼する物質です。

 

4. 木炭、木材・・・✕

木炭、木材はともに固体ですが、木材は分解燃焼する物質です。

木炭と木材は字面が似ていますので注意が必要です。

 

5. 木材、ガソリン・・・✕

木材は分解燃焼する固体、ガソリンは蒸発燃焼する液体でした。

 

【問15】化学反応式、アボガドロの法則、ボイル・シャルルの法則

問15

メタノール3 molが完全燃焼するときに消費される酸素の常温(20℃)、1.013×105 Pa(1気圧)における体積として、次のうち最も近いものはどれか。

ただし、0℃、1.013×105 Pa(1気圧)での気体1 molの体積は、22.4 Lとする。

1. 54.1 L

2. 67.2 L

3. 100.8 L

4. 108.2 L

5. 216.4 L

燃焼の化学反応式(生成物)およびアボガドロの法則、ボイル・シャルルの法則に関する問題です。

 

【正答4】

まずはメタノールが完全燃焼するときの化学反応式を確認しましょう。

メタノールの分子式はCH3OHです。

燃焼では酸素が結合するため、基本的に二酸化炭素と水が生成されます。

 

化学反応式の書き方

まず左辺に反応物、右辺に生成物を書き→で繋ぎます

CH3OH+O2→CO2+H2O

 

次に係数をつけます

2CH3OH+3O2→2CO2+4H2O

 

つまり、メタノール(CHOH)2分子が反応するのに必要な酸素分子(O2)は3 分子ということがわかります。

今回メタノールが3 molあるため、酸素は9/2 mol必要ということになります。

 

また、アボガドロの法則に従うと、0℃、1気圧での1 mol(6.0×1023個)の分子が占める体積は22.4 Lです。

よって、燃焼に消費される酸素量は以下のように計算されます。

22.4 (L/mol)×9/2 (mol)=100.8 (L)

 

ただし、今回は20℃、1気圧での体積ですので、ここから更にボイル・シャルルの法則で計算をしていきます。

ボイル・シャルルの法則は、気体の温度、体積、圧力に関する方程式でした。

PV=zT(zは定数)

この式のうち、圧力Pは1気圧で一定です。

よって以下の式が成り立ちます。

V=z/P×T(z/Pは一定=k) → V=kT

ここまで式を変換すると体積Vと温度Tは比例することがわかります。

 

また、この法則で気をつけなければいけないことは、温度Tは絶対温度(ケルビン)であるということでした。

これを踏まえると、0℃(273K)のとき体積が100.8 L、では20℃(293K)のときの体積は?となります。

よって、答えは以下のようになります。

273:293=100.8:X

X=108.2 (L)

 

【問16】燃焼点

問16

燃焼点の説明について、次のうち正しいものはどれか。

1. 可燃性液体表面の蒸気濃度が燃焼範囲の下限値を示すときの液温をいう。

2. 可燃性液体表面の蒸気濃度が燃焼範囲の上限値を示すときの液温をいう。

3. 可燃物を燃焼させるのに必要な熱源の温度をいう。

4. 可燃物を空気中で加熱した場合、他から点火されなくても自ら発火する最低の温度をいう。

5. 可燃性液体が連続的に燃焼するときの液体の最低温度をいう。

燃焼に関する用語の定義を問う問題です。

 

【正答5】

1. 可燃性液体表面の蒸気濃度が燃焼範囲の下限値を示すときの液温をいう。・・・✕

これは引火点に関する記述です。

引火点は点火源があると着火する温度でもあります。

 

2. 可燃性液体表面の蒸気濃度が燃焼範囲の上限値を示すときの液温をいう。・・・✕

この温度に特有の名称はありません。

 

3. 可燃物を燃焼させるのに必要な熱源の温度をいう。・・・✕

この記述は熱源側についての記述のため、燃焼点とは関係がありません。

 

4. 可燃物を空気中で加熱した場合、他から点火されなくても自ら発火する最低の温度をいう。・・・✕

これは発火点に関する記述です。

発火点は可燃物が点火源なしで燃焼を始める温度です。

 

5. 可燃性液体が連続的に燃焼するときの液体の最低温度をいう。・・・○

この記載が燃焼点となります。

 

【問17】消火剤

問17

二酸化炭素消火剤について、次のA~Dのうち、正しいものの組み合わせはどれか。

A 空気より軽いので、密閉された場所でしか消火に使用できない。

B 空気中に放出すると、酸素濃度を低下させるので窒息消火の効果がある。

C 油火災や電気火災の消火に適している。

D 二酸化炭素は、密閉された場所で放出しても人体の危険はなく安心して使用できる。

 

1. AとB

2. AとC

3. BとC

4. BとD

5. CとD

二酸化炭素消火剤の使用場面に関する問題です。

 

【正答3】

二酸化炭素消火剤は空気中の酸素と置き換わることで支燃性ガスを排除し、燃焼を止める機能があります。

また空気中の酸素がなくなるため、消火担当者の窒息の恐れがあることには注意が必要です。

 

A 空気より軽いので、密閉された場所でしか消火に使用できない。・・・✕

二酸化炭素は空気より重たい気体です。

また、窒息の危険性があるため密閉された場所での使用はできません

 

B 空気中に放出すると、酸素濃度を低下させるので窒息消火の効果がある。・・・○

記載は正しい。

 

C 油火災や電気火災の消火に適している。・・・○

油火災や電気火災に二酸化炭素消火剤の使用は適しています

対して、水消火は油火災を悪化させたり電気火災で感電する可能性があります。

 

D 二酸化炭素は、密閉された場所で放出しても人体の危険はなく安心して使用できる。・・・✕

酸欠の可能性があるため、密閉された場所での使用は禁止です。

 

【問18】物質の種類、混合物

問18

次に掲げる単体、化合物または混合物のうち、混合物はいくつあるか。

 

硫黄、ベンゼン、固形アルコール、鉄、エタノール、ラッカー用シンナー、リン、水、ガソリン、ナトリウム、塩素酸カリウム、動植物油

 

1. 1つ

2. 2つ

3. 3つ

4. 4つ

5. 5つ

物質の分類を見分ける問題です。

 

【正答4】

物質の分類

物質は大きくは純物質と混合物にわかれます。

また、純物質は単体と化合物にわかれます。

 

単体:硫黄(S)、鉄(Fe)、リン(P)、ナトリウム(Na)

化合物:ベンゼン(C6H6)、エタノール(C2H5OH)、水(H2O)、塩素酸カリウム(KClO3)

混合物:固形アルコール(メタノール+エタノール)、ラッカー用シンナー(トルエン、酢酸エチル、アセトンなど)、ガソリン(様々な炭素数の炭化水素)、動植物油(様々な脂肪酸)

 

【問19】イオン化傾向、起電力

問19

2種類の金属の板を電解液中に離して立て、金属の液外の部分を針金でつないで電池をつくろうとした。この際に、片方の金属をAlとした場合、もう一方の金属として最も大きな起電力が得られるものは、次のうちどれか。

1. Fe

2. Ag

3. Cu

4. Pb

5. Ni

イオン化傾向とその差による起電力に関する問題です。

 

【正答2】

イオン化列(イオン化傾向)

起電力はイオン化傾向が離れている物質同士を電極とした場合に最も大きくなります

Alから最もイオン化傾向が離れている物質はAgです。

 

【問20】純度、化学反応式、アボガドロの法則

問20

不純物を含む炭化カルシウム100 gに多量の水を加えて発生させたアセチレンガスの量は、標準状態(0℃、1気圧(1.013×105 Pa))で30 Lであった。この炭酸カルシウムの純度として最も近いものは、次のうちどれか。

ただし、原子量はCa=40、H=1、C=12とする。

1. 30%

2. 64%

3. 70%

4. 81%

5. 86%

化学反応式から物質の純度を求める問題です。

 

【正答5】

まずは化学反応式を書きましょう。

CaC2+2H2O→C2H2+Ca(OH)2

 

今回発生したアセチレンガスは30 L発生しています。

アボガドロの法則より0℃、1気圧での1 molの体積が22.4 Lですので、発生したアセチレンは30/22.4 molとなります。

 

つまり、炭化カルシウムも30/22.4 mol存在していたことになります。

また、炭化カルシウムの分子量は64 (g/mol)ですので、存在していた炭化カルシウムの量は下のように計算されます。

64 (g/mol)×30/22.4 (mol)=85.7 (g)

 

よって、炭化カルシウムの純度は以下のように計算されます。

85.7 (g)÷100 (g)×100=86%

 

 

【問21】芳香族炭化水素

問20

芳香族炭化水素に関する説明について、次のうち誤っているのはどれか。

1. ベンゼンの同族体には、トルエンやキシレンなどがある。

2. ベンゼンは、不飽和炭化水素であり、置換反応を起こしにくく、付加反応を起こしやすい

3. ベンゼンを構成する全ての原子は平面上にあり、6この炭素原子は正六角形を形成している。

4. キシレンは、ベンゼン環の2この水素原子が2個のメチル基(-CH3)に置換されたものであり、メチル基が結合する位置によって、3種類の構造異性体が存在する。

5. ベンゼン環に濃硫酸を加えて加熱すると、ベンゼンスルホン酸(C6H5SO3H)になる。この反応をスルホン化という。

炭化水素の基礎知識に関する問題です。

 

【正答2】

1. ベンゼンの同族体には、トルエンやキシレンなどがある。・・・○

同族体とはR-X(R:官能基)で表される物質に対してR1-(CH2)n-Xの構造を持つ誘導体のことです。

ベンゼンはC6H6、これをR-XとするとC6H5-Hとして表すことができます。

この間に-CH2-を入れると、C6H5-CH2-H→C6H5-CH3(トルエン)となります。

 

また、ベンゼンをX-R-XとするとH-C6H4-Hとして表すこともできます。

この間にそれぞれ-CH2-を入れるとH3C-C6H4-CH3(キシレン)となります。

 

よってトルエンやキシレンはベンゼンの同族体となります。

 

2. ベンゼンは、不飽和炭化水素であり、置換反応を起こしにくく、付加反応を起こしやすい。・・・×

ベンゼンは構造中に不飽和結合(二重結合)を含まれますが、環式化合物であり芳香族化合物であるため不飽和化合物には分類されません。

不飽和炭化水素に分類されるのは鎖状化合物のうち不飽和結合を含むものになります。

また、ベンゼンは置換反応(ニトロ化やスルホン化)を起こしやすく、付加反応を起こしにくい物質です。

有機化合物の分類

3. ベンゼンを構成する全ての原子は平面上にあり、6この炭素原子は正六角形を形成している。・・・〇

正しい記述です。

炭素同士は一重結合および二重結合で結合しています。

二重結合をしている炭素同士とその炭素に結合している原子は同一平面状に存在します。

ベンゼンの二重結合から見るとすべての炭素が同一平面状になることがわかります。

エチレンの平面構造 ベンゼンの平面構造

4. キシレンは、ベンゼン環の2この水素原子が2個のメチル基(-CH3)に置換されたものであり、メチル基が結合する位置によって、3種類の構造異性体が存在する。・・・〇

正しい記述です。

結合する場所によってo(オルト)、m(メタ)、p(パラ)と分けられます。

キシレンの構造異性体3種類

5. ベンゼン環に濃硫酸を加えて加熱すると、ベンゼンスルホン酸(C6H5SO3H)になる。この反応をスルホン化という。・・・〇

正しい記述です。

スルホン化は濃硫酸を加えて加熱することで反応が進みます

また、ベンゼン環は置換反応が起こりやすく、付加反応が起こりにくい物質です。

 

【問22】圧力、ボイル・シャルルの法則

問22

温度一定の条件下で、容量30 Lの容器に6気圧の酸素10 Lと1気圧の窒素60 Lを入れたときの混合気体の全圧として、次のうち正しいものはどれか。

ただし、酸素と窒素は互いに反応しないものとし、いずれも理想気体として挙動するものとする。

1. 2気圧

2. 4気圧

3. 6気圧

4. 8気圧

5. 10気圧

圧力の考え方とボイル・シャルルの法則に関する問題です。

 

【正答2】

ボイル・シャルルの法則は以下の通りです。

PV=zT

 

また、温度(T)が一定のため右辺zTは定数(k)となります。

PV=k

つまり、圧力と体積は反比例することがわかります。

 

6気圧で10 Lの酸素を30 Lの容器に入れる(体積3倍にする)と、圧力は1/3倍になるため2気圧となります。

また、1気圧で60 Lの窒素を30 Lの容器に入れる(体積を1/2倍にする)と、圧力は2倍になるため2気圧となります。

今回、酸素と窒素は反応しない(分子数が減らない)ため、圧力は足し算するだけで計算することができます。

よって、答えは2気圧+2気圧=4気圧となります。

 

ちなみに分子数は圧力に比例するため、化学反応により分子数が減る(増える)場合は圧力も変化します。

 

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それではみなさん、ごきげんよう!