簡易タンク貯蔵所:簡易的なタンクで危険物を貯蔵する貯蔵所
→保安距離の規制はないが、保有空地を設ける必要がある
保有空地:1 m以上(屋外の場合のみ)
移動タンク貯蔵所:基本的にはタンクローリー
→保安距離及び保有空地の規制はない(車両を常置する場合は規制あり)
簡易タンク貯蔵所
簡易タンク貯蔵所は、小さめのタンクで危険物を貯蔵する施設です。
また、屋外・屋内ともに簡易タンク貯蔵所とすることができます。
給油のみを行う施設であって1日の取扱量が指定数量未満であれば簡易タンク貯蔵所、指定数量以上であれば給油取扱所となるなど、若干ややこしい区分があります。
取扱行為 | 施設区分 | 1日の取扱量が指定数量未満の場合の施設区分 |
給油のみ | 給油取扱所 | 簡易タンク貯蔵所 |
給油以外の取扱(容器への詰替、移動タンク貯蔵所への充填など) | 一般取扱所 | 簡易タンク貯蔵所 |
給油とそれ以外の併用 | 給油取扱所 | 給油取扱所 |
簡易タンク貯蔵所の構造・設備基準
・見やすい箇所に「簡易タンク貯蔵所」を掲示する
・タンクは3基以内とする
・同一品質の危険物を貯蔵するタンクは設置できない(2基以上設置できない)
※同一品質は全く同じ品質を有するもの(名前が同じガソリンであってもオクタン価が異なれば別物)
・タンクが容易に移動しないように地盤面、架台などに固定する
※キャスター等をつけてもいいが、目的は火災などの場合に安全な場所に移動させるため
・タンクの容量は1基あたり600 L以下とする
・タンクの厚みは3.2 mm以上とする
・タンク外面には錆止めをする
・無弁通気管を設置し、屋外では先端を地上1.5 m以上とする
・タンクの専用室を設ける
・壁、柱、床は耐火構造で作る
・屋根、梁を不燃材料で作り、天井は設けない
・床は危険物が浸透しない構造とし、適切な傾斜と貯留設備を設ける
・取扱うのに必要な採光、照明、換気の設備を設ける
・内部に滞留した可燃性蒸気を屋根上に排出する設備を設ける(引火点が70℃未満の危険物を貯蔵する場合)
・タンクと壁の間隔を0.5 m以上とする
・地盤面はコンクリートなどで舗装し、危険物が浸透しない構造とする
・周囲には排水溝及び貯留設備を設ける
・地盤面の雨水を直接外部に排水する場合は油水分離装置を設ける
・火気使用場所から4 m以上離す(防火上有効な塀などを設ける場合は不要)
・保有空地を1 m以上とする
移動タンク貯蔵所
移動タンク貯蔵所は車両に固定されたタンクに危険物を貯蔵する設備を言います。
一般的には 移動タンク貯蔵所=タンクローリー です。
移動タンク貯蔵所の構造・設備基準
・屋外の防火上安全な場所、又は壁、床、梁、屋根を耐火構造もしくは不燃材料で作った建築物の1階に常置する
・屋外の常置位置は、車両の周囲に乗降可能な空地(概ね0.5 m以上)を設ける
・常置位置と火気を使用する設備などの間には10 m以上の距離を設ける(防火上有効な塀などを設ける場合は不要)
・常置位置では、危険物を積載した状態で移動式タンク貯蔵所を常置してはならない
・タンクの厚さは3.2 mm以上とする
・タンク外面には錆止めをする
・タンクは水圧試験(普通のタンクは70 kPa、圧力タンクは最大常用圧力の1.5倍圧力)を行う
・タンク容量は30000 L以下とし、内部は4000 L以下毎に完全な間仕切り(厚さ3.2 mm以上)を設ける
・間仕切り毎にマンホール及び安全装置を設ける
・2000 L容量以上のタンク室には防波板を設ける
・タンクには防護枠と側面枠を設ける
・ガソリンやベンゼンなど静電気で火災が発生する可能性のある液体を貯蔵する場合は接地導線(アース)を設ける
・タンクには取扱う危険物の種類、品名、最大数量を見やすい位置に表示する
・車両の前後に「危」マーク(1辺が0.3~0.4 m、黒地に黄色の反射塗装文字)を表示する
・資格を持ったものが乗車し、免状を持参する