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危険物の規制区分

危険物の規制区分
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危険物を取り扱うにはさまざまな規制があります。
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どんな状況で、どんな規制が適用されるかは整理して覚えておきましょう。

 

危険物の運搬:消防法

指定数量以上の危険物を貯蔵・取扱する場合:消防法

指定数量未満の危険物を貯蔵・取扱する場合:市町村の火災予防条例

消防法以外で規制されるもの:航空機、船舶、鉄道、軌道等での貯蔵・取扱・輸送

※軌道:路面電車などの軽便な鉄道

危険物規制の概要 危険物規則の例外

危険物の貯蔵・取り扱いの原則

貯蔵・取扱いの禁止

消防法には以下のように記載されています。

消防法 第三章 第十条

指定数量以上の危険物は、貯蔵所以外の場所でこれを貯蔵し、又は製造所、貯蔵所及び取扱所以外の場所でこれを取り扱つてはならない。ただし、所轄消防長又は消防署長の承認を受けて指定数量以上の危険物を、十日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合は、この限りでない。

 

つまり、指定数量以上の危険物は、製造所・貯蔵所・取扱所以外で貯蔵・取扱いが一般的に禁止ということです。

危険物の貯蔵・取扱いの許可制度

消防法 第三章 第十一条

製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、政令で定めるところにより、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、次の各号に掲げる製造所、貯蔵所又は取扱所の区分に応じ、当該各号に定める者の許可を受けなければならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様とする。

 

つまり、製造所や貯蔵所、取扱所を設置する場合には、施設の位置や構造、設備を法令で定める基準に適合させて、市町村長等の許可を受ける必要があります。

 

ただし、第十条にある通り、貯蔵・取扱いの例外(仮貯蔵・仮取扱)が定められています。

消防長又は消防署長の承認を受けることで、指定数量以上の危険物を10日以内の期間に限って貯蔵・取扱うことができます。

危険物の貯蔵又は取り扱いに関する届出

申請により与えられるものにはいくつかのランク(厳しさ)があります。

厳しい順に並べると、以下の通りです。

許可>承認>検査>認可>届出

許可が必要な場合、手続き後に許可が得られるまで待つ必要があります。

しかし、届出の場合は申請手続を終えた段階で効力を発揮します。

これらの申請先(許可権者)は基本的に市町村長等になります。

※市町村長等:市町村長・都道府県知事・総務大臣

※仮貯蔵・仮取扱の承認は消防長又は消防署長

 

分類 種類 届出先 備考
許可 製造所等を設置又は変更するとき 市町村長等
承認 10日以内の仮貯蔵・仮取扱 消防長又は消防署長
施設の一部について変更の工事を行う場合に、別の箇所を仮使用するとき 市町村長等
検査 完成検査を受けるとき 市町村長等
完成検査前検査を受けるとき 市町村長等 タンクの水圧、水張検査を受ける場合

1000 kL以上の特定屋外タンク貯蔵所において基礎・地盤検査等を受ける場合

定期保安検査を受けるとき 市町村長等 10000 kL以上の屋外タンク貯蔵所、特定移送取扱所において保守検査を受ける場合
臨時保安検査を受けるとき 市町村長等 1000 kL以上の屋外タンク貯蔵所、特定移送取扱所において不当沈降等の理由で保守検査を受け受ける場合
認可 予防規定を作成又は変更するとき 市町村長等
届出 製造所の譲渡・引き渡しのとき 市町村長等 譲渡・引き渡しを受けたものが遅滞なく行う
製造所等で貯蔵・取扱う危険物の品名・数量・指定数量の倍数の変更をするとき 市町村長等 変更しようとする10日前(設備などの変更は生じない)
製造所等を廃棄するとき 市町村長等 廃止したときは遅滞なく
危険物保安統括管理者を選任又は解任するとき 市町村長等 遅滞なく
危険物保安監督者を選任又は解任するとき 市町村長等 遅滞なく
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届け出の日程は2種類のみです。
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指定数量の倍数変更のみが「変更する日の10日前まで」であり、他は「遅滞なく」となっています。
製造所等の設置フロー

承認・検査の種類

承認、検査で出てくる様々な用語について確認をしましょう。

仮貯蔵・仮取扱

指定数量以上の危険物は原則として製造所等以外で扱うことはできませんが、事前に消防長又は消防署長に承認を受けることで10日以内の期限限って貯蔵・取扱が可能になります。これを仮貯蔵・仮取扱といいます。

仮使用

製造所等を工事する場合、工事が終わった後に完成検査済証の交付を受ける必要があります。

しかし、事務所スペースなどの実務に関係のない施設については使用禁止にする必要性がありません

よって、そういった施設は市町村長等の承認を受けることで仮使用することができます

 

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仮貯蔵・仮取扱と仮使用は全く違うものです

 

完成検査

製造所等の完成後に設置・変更が申請通りに行われたかを確認する検査です。

適合が認められれば、完成検査済証が交付されます。

完成検査前検査

製造所等のうち、液体危険物を貯蔵して取扱うタンク(液体危険物タンク)を設置・変更する施設を対象とした検査です。

危険物に関する施設の区分

危険物施設とは、消防法で規制される指定数量以上の危険物を貯蔵したり取扱ったりする施設のことです。

危険物施設は大きく3つ、製造所・貯蔵所・取扱所に区分されます。

これら3つは合わせて製造所等と表されます。

危険物施設の区分
製造所 危険物の合成・分解・混合などを行う製造施設
貯蔵所 屋内貯蔵所 屋内で危険物を貯蔵・取扱う施設
屋外貯蔵所 屋外で特定の危険物のみ貯蔵・取扱う施設
屋内タンク貯蔵所 屋内に設置したタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設
屋外タンク貯蔵所 屋外の地上タンクで危険物を貯蔵・取扱う施設
地下タンク貯蔵所 地下に埋没したタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設
簡易タンク貯蔵所 簡易タンクで危険物を貯蔵・取扱う施設
移動タンク貯蔵所 車両に固定されたタンクで危険物を貯蔵・取扱う施設(タンクローリー)
取扱所 給油取扱所 固定給油設備で自動車などの燃料タンクに直接給油するために危険物を取扱う施設(ガソリンスタンド)
販売取扱所(第一種・第二種) 店舗において容器入りのままで危険物を販売するために危険物を取扱う施設(塗料店など)

※指定数量が第一種:15以下、第二種:15超40以下

移送取扱所 配管・ポンプなどの設備で危険物を移送する施設
一般取扱所 その他の危険物を取扱う施設(ボイラー施設、ローリー積載所など)

製造所等の設置・変更の許可権者

基本的に製造所等は市町村長等に申請をする必要がありますが、製造所等がどのように設置されるかで許可権者が変わってきます。

製造所等 設置場所 許可権者(申請先)
移送取扱所以外 消防本部及び消防署を置く市町村 市町村長
消防本部及び消防署を置かない市町村 都道府県知事
移送取扱所 消防本部及び消防署を置く1つの市町村 市町村長
消防本部及び消防署を置かない市町村、又は2つ以上の市町村に跨る場合 都道府県知事
複数の都道府県に跨っている場合 総務大臣

市町村長は自分の市町村に関わる権限しかありませんし、都道府県知事は自分の都道府県に関わる権限しかありません。

そうすると製造所等が様々な場所にバラけるにつれ、許可権者も市→県→国と大きくなっていきます。

 

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本日はこのへんで、みなさんごきげんよう!