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乙種危険物取扱者(共通)の過去問と解説(化学・物理)

乙種危険物取扱者の過去問と解説(化学・物理)
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乙種危険物取扱者の過去問(化学・物理)について解説します
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一般財団法人 消防試験研究センター過去問の一部をHPにて公開されています

【問16】燃焼を引き起こす物質

問16

次の組み合わせのうち、燃焼が起こらないものはどれか。

1 静電気火花 ヘリウム 酸素
2 ライターの炎 水素 酸素
3 酸化熱 天ぷらの揚げかす 酸素
4 電気火花 一酸化炭素 空気
5 衝撃火花 二硫化炭素 酸素
”解答と解説”

【解答1】

静電気火花-ヘリウム-酸素

希ガスに分類されるヘリウムは反応性が低く、通常は燃焼しません。
また、酸素は助燃性(燃焼を助ける)性質がありますが、それ自体には燃焼する性質は有りません。

ライターの炎-水素-酸素

水素は爆発的に燃焼する物質です。酸素の存在により燃焼が助長されます。

酸化熱-天ぷらの揚げかす-酸素

天かすには植物性油(第4類危険物の動植物油類)が含まれています。
動植物油類は空気中の酸素と反応して、酸化熱により発火する可能性があります。

電気火花-一酸化炭素-空気

一酸化炭素は燃える物質です。似たような物質で二酸化炭素は燃えませんので、間違えないように注意が必要です。

衝撃火花-二硫化炭素-酸素

二硫化炭素は第4類危険物の特殊引火物に分類されるものです。
ですので、当然燃えますね。

【問17】燃焼

問17

燃焼について記述した次の文章の下線部分【A】~【C】のうち、誤っているもののみすべてを掲げているものはどれか。
「燃焼とは、一般に【A】熱と光の発生を伴う【B】分解反応のことをいう。燃焼が始まるためには、原則として可燃物、【C】酸素供給源、点火源の3つが同時に存在することが必要である。」

1. B
2. C
3. A、B
4. A、C
5. A、B、C

”解答と解説”

【解答1】

【A】熱と光

燃焼といえば炎ですよね。
炎は光と熱を発していますので正しい記述です。

【B】分解反応のこと

誤った記述です。
燃焼時に分解が起こることはありますが、燃焼の本質は酸素による酸化反応です。

【C】酸素供給源

正しい記述です。
【B】でも記載したとおり、燃焼に酸素は不可欠です。

【問18】物質量(mol)

問18

プロパン(C3H8) 88 gに含まれる炭素原子の物質量〔mol〕として、次のうち正しいものはどれか。
ただし、Cの原子量を12、Hの原子量を1とする。

1. 3 mol
2. 6 mol
3. 8 mol
4. 12 mol
5. 88 mol

”解答と解説”

【解答2】

2. 6 mol

まず分子式から、プロパン1分子の中に炭素原子が3個あることが読み取れます。
あとは、プロパンが何molあるか求めることができればokです。
プロパンは炭素原子3個と水素原子8個で構成されるので、
分子量は・・・12×3+1×8=44(g/mol)
よってプロパン88 gは・・・88(g)÷44(g/mol)=2(mol)
すると炭素原子の物質量は・・・2×3=6(mol)

【問19】自然発火

問19

自然発火の機構について、次の文中の【 】内のA~Cに当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「自然発火が開始される機構について分類すると、セルロイドやニトロセルロースなどのように【A】により発熱するもの、活性炭などの炭素粉末類のように【B】により発熱するもの、ゴム粉や石炭などのように【C】により発熱するもの、発酵により発熱するもの、重合反応により発熱するものなどがある。」

A B C
1 吸着 酸化 分解
2 分解 酸化 吸着
3 酸化 吸着 分解
4 吸着 分解 酸化
5 分解 吸着 酸化
”解答と解説”

【解答5】

A:分解、B:吸着、C:酸化

セルロイドやニトロセルロースは分解により発熱し、自然発火を引き起こします。
活性炭は、消臭や解毒に使われるように、物質を吸着する性質があります。この吸着のときに発熱が起こります。
石炭やゴム粉は空気中の酸素によって酸化され、発熱する性質があります。

【問20】消火剤

問20

次の消火剤に関する説明のうち、誤っているものはどれか。

1. 泡消火剤は、微細な気泡の集合体で燃焼面を覆う窒息効果と、水分による冷却効果によって消火する。
2. 二酸化炭素消火剤は、主として酸素濃度を下げる窒息効果によって消火する。
3. 水は、蒸発熱により燃焼物の温度を下げる冷却効果によって消火する。さらに気化により発生した水蒸気による窒息効果もある。
4. 粉末消火剤は、燃焼の連鎖反応を中断させる負触媒(抑制)効果によって消火する。
5. ハロゲン化物消火剤は、主として燃焼物の温度を引火点以下に下げる冷却効果によって消火する。

”解答と解説”

【解答5】

1. 泡消火剤は、微細な気泡の集合体で燃焼面を覆う窒息効果と、水分による冷却効果によって消火する。

正しい記述です。
気泡により窒息消火が期待できるのに加え、泡消火剤には水が含まれるため、冷却効果があります。

2. 二酸化炭素消火剤は、主として酸素濃度を下げる窒息効果によって消火する。

正しい記述です。
二酸化炭素は燃えない物質ですので、空気中の酸素を押し出し、窒息効果をもたらします。

3. 水は、蒸発熱により燃焼物の温度を下げる冷却効果によって消火する。さらに気化により発生した水蒸気による窒息効果もある。

正しい記述です。

4. 粉末消火剤は、燃焼の連鎖反応を中断させる負触媒(抑制)効果によって消火する。

正しい記述です。
粉末消火剤として有名なリン酸アンモニウムなどは、燃焼の反応を止める抑制効果があります。

5. ハロゲン化物消火剤は、主として燃焼物の温度を引火点以下に下げる冷却効果によって消火する。

誤った記述です。
ハロゲン化物消火剤には冷却効果は有りません。
ハロゲン化物消火剤は主に抑制効果による消火です。

【問21】静電気

問21

静電気について、誤っているものはどれか。

1. 静電気は、一般に物体の摩擦等によって発生する。
2. 静電気は、ガソリン等の石油製品を取り扱う際に発生することが多い。
3. 静電気が多量に蓄積された物質は、火花を発生するおそれがある。
4. 静電気の蓄積を防止するためには、できるだけ湿度を下げることが効果的である。
5. 静電気の蓄積防止策の一つとして、設置する方法がある。

”解答と解説”

【解答4】

1. 静電気は、一般に物体の摩擦等によって発生する。

正しい記述です。
下敷きを擦って静電気を発生させるのは、誰もが経験あるのではないでしょうか。
静電気は物体を擦り合わせるなどして発生します。

2. 静電気は、ガソリン等の石油製品を取り扱う際に発生することが多い。

正しい記述です。
静電気は液体にも帯電します。
ガソリンは電気の不良導体(電気を通しにくい)であるため、静電気が逃げにくく、蓄積しやすい性質を持ちます。
ガソリンスタンドでは給油前に静電気除去パッドに触れる必要があり、注意が必要なことがわかりますね。

3. 静電気が多量に蓄積された物質は、火花を発生するおそれがある。

正しい記述です。
静電気により火花が発生することがあります。
この火花が火災の原因になります。

4. 静電気の蓄積を防止するためには、できるだけ湿度を下げることが効果的である。

誤った記述です。
静電気は乾燥した冬に発生しやすいですよね。
つまり、湿度を下げるほど静電気が蓄積しやすい状況になってしまいます。

5. 静電気の蓄積防止策の一つとして、接地する方法がある。

正しい記述です。
静電気防止の方法として、接地(アース)して静電気を逃してやる必要があります。

【問22】燃焼熱

問22

水素(H2)、炭素(C)、プロパン(C3H8)の燃焼熱がそれぞれ286 kJ/mol、394 kJ/mol、2219 kJ/molである場合、プロパンの生成熱として正しいものは次のうちどれか。
なお、それぞれが完全燃焼する場合の化学反応式は、下記のとおりである。
2H2+O2→2H2O
C+O2→CO2
C3H8+5O2→3CO2+4H2O

1. 107 kJ/mol
2. 215 kJ/mol
3. 1539 kJ/mol
4. 2899 kJ/mol
5. 4545 kJ/mol

”解答と解説”

【解答1】

1. 107 kJ/mol

まず生成熱とは、成分元素の単体から目的物質1molが生成するときの反応熱を言います。
つまり、プロパンの生成熱は、炭素と水素からプロパンができる下の化学反応式を、熱化学方程式にすることで求められます。
3C+4H2→C3H8
3C+4H2=C3H8+?? kJ/mol・・・⓪

また、燃焼熱は目的とした物質1molが酸素と反応した時の熱量を言います。
つまり、水素、炭素、プロパンの燃焼熱を熱化学方程式に表すと・・・
H2+1/2O2=H2O+286 kJ/mol・・・①
C+O2=CO2+394 kJ/mol・・・②
C3H8+5O2=4H2O+3CO2+2219 kJ/mol・・・③

この①~③の式を変換していって、⓪の式を導き出せれば回答となります。

以下、一つの解答例です。

まず、①の式を変換します。
両辺から移項して・・・H2O=H2+1/2O2-286 kJ/mol
両辺を4倍して・・・4H2O=4H2+2O2-1144 kJ/mol

つぎに、②の式を変換します。
両辺から移項して・・・CO2=C+O2-394 kJ/mol
両辺に3倍して・・・3CO2=3C+3O2-1182 kJ/mol

つづいて、③の式を変換します。
両辺から移項して・・・4H2O+3CO2-5O2=C3H8-2219 kJ/mol
ここに先に変換した式を代入・・・
(4H2+2O2-1144 kJ/mol)+(3C+3O2-1182 kJ/mol)-5O2=C3H8-2219 kJ/mol
これを整理すると・・・3C+4H2=C3H8+107 kJ/mol・・・⓪
⓪の式となり、プロパンの生成熱を求めることができました。

【問23】単体、化合物、混合物

問23

単体、化合物および混合物の組合せとして、次のうち正しいものはどれか。

単体 化合物 混合物
1 硫黄 アンモニア 軽油
2 カリウム 硫黄 ガラス
3 アンモニア エタノール 空気
4 硫黄 塩化ナトリウム
5 酸素 空気 ジエチルエーテル
”解答と解説”

【解答1】

単体

単体とは元素1種類で構成される物質を言います。
つまり、分子式で表すと1種類の原子記号しか出てきません。
選択肢の中で単体は、硫黄(S)、カリウム(K)、銅(Cu)、酸素(O2)、が該当します。

化合物

化合物とは元素2種類以上で構成される物質を言います。
つまり、分子式で表すと2種類以上の原子記号が出てきます。
選択肢の中で化合物は、アンモニア(NH3)、エタノール(C2H5OH)、塩化ナトリウム(NaCl)、ジエチルエーテル(C2H5OC2H5)、が該当します。

混合物

混合物とは、単体や化合物が複数種類混ざった物質を言います。(対義語は純物質)
つまり、分子式で表すことができません。
選択肢の中で混合物は、空気(N2+O2+etc)、軽油(炭化水素混合物)、ガラス(主に珪酸塩類)、が該当します。

物質の分類

【問24】イオン化列

問24

地中に埋設された危険物の金属製配管を電気化学的な腐食から守るために、配管に異種金属を接続する方法がある。
配管が鋼星の場合、次のA~Eに掲げる金属のうち、効果のあるものの組合せとして正しいものはどれか。
A 銅
B 鉛
C マグネシウム
D 亜鉛
E スズ

1. AとB
2. AとE
3. BとC
4. CとD
5. DとE

”解答と解説”

【解答4】

4. マグネシウムと亜鉛

「金属配管を電気化学的な腐食から守る」ですが、金属がイオン化していく=腐食する、という意味になります。
なので鋼(鉄の合金)よりイオン化しやすい金属を周囲に配することでそちらの【金属が先に腐敗し、鋼製の金属を保護することができます。

イオン化のしやすさはイオン化列(イオン化列)で確認することができます。
鉄よりもイオン化傾向が大きいのはマグネシウムと亜鉛が該当します。

ゴロ合わせ_イオン化列

【問25】物質の状態変化

問25

物質の状態変化について、次のうち誤っているものはどれか。

1. 水には気体、液体および固体の3つの状態がある。
2. 状態の変化には熱エネルギーの出入りが伴う。
3. 沸点は外圧が高くなると低くなる。
4. 固体から直接気体に状態変化することを昇華という。
5. 固体が液体に変わることを融解といい、逆に液体が固体に変わることを凝固という。

”解答と解説”

【解答3】

1. 水には気体、液体および固体の3つの状態がある。

正しい記述です。
水に限ったことではないですが、物質には気体、液体、固体の三態があります。
(正確には超臨界水というものがありますが・・・)

水の状態図
2. 状態の変化には熱エネルギーの出入りが伴う。

正しい記述です。
気体にしたり、固体にしたりの状態変化には熱エネルギーの出入りが伴います。

3. 沸点は外圧が高くなると低くなる。

誤った記述です。
外圧が高くなると、物質から分子が飛び出すことが難しくなるため、気体になるためのエネルギー(沸点)が高くなります。

沸点
4. 固体から直接気体に状態変化することを昇華という。

正しい記述です。
液体の状態を介さず、固体⇔液体、の変化をすることを昇華といいます。

5. 固体が液体に変わることを融解といい、逆に液体が固体に変わることを凝固という。

正しい記述です。

物質の三態
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