静電気:物質(主に絶縁体)の摩擦によって生じる電気
オームの法則:電流・電圧・電気抵抗の関係を表した法則
湿度:空気中に含まれる水蒸気の量
静電気
子供の頃に下敷きを擦って髪の毛を逆立てたり、乾燥した冬のドアノブでバチッとなったり、静電気は身近なものですよね。
ここでは身近な静電気について、少し詳しく確認していきます。
静電気は主に絶縁体(電気を通さない物→導電性が低い物)を擦り合わせることで、発生します。
なぜ導電性(電気を導く性質→電気の流れ易さ)が低い物質のほうが静電気が発生し易いのでしょうか?
電気が流れ易い物質の擦り合わせた部分に静電気が発生しても、その物質が電気を通してしまい、他の物質に電気を移してしまいます。
そのため、電気が流れ易い物質表面には電気が帯電しにくく、静電気が残らないのです。
つまり、導電性の低い物質は導電性の高い物質と比較して静電気を蓄積しやすいということになります。
静電気で気を付けなければいけないことは、火花放電による火災事故です。
最近はセルフのガソリンスタンドが殆どで、給油前に静電気除去パッドに触れる機会も多いのではないでしょうか。
給油中に静電気がバチッと火花放電してガソリンに引火したら・・・考えるだけで恐ろしいですね。
面倒くさがらず静電気除去パッドにはしっかりと触れるようにしましょう。
第4類危険物(引火性液体)は導電性の低い物質ですので、静電気が生じやすく取り扱いに注意が必要な物質となります。
液体が静電気というのはイメージしにくいかもしれませんが、電気は固体にのみ帯電するものではなことは覚えておきましょう。
では、静電気による火災を防ぐためにはどのような対応が必要でしょうか?
対応としては大きく以下の2つに分けられます。
静電気を発生させない
静電気を帯電させておかない
まず1. 静電気を発生させないについて確認していきましょう
静電気を発生させないためには摩擦を減らす(抑制する)必要があります。
作業着は綿素材のものを使用することで帯電を抑えることが出来ます。
綿繊維はもともと水分を含んでおり帯電しにくくなっているといわれています。
また、液体を移動させる際は流速を遅くする(摩擦を抑える)ことも有効です。
では、2. 静電気を帯電させておかないについて確認していきます。
帯電させておかないということは、帯電しやすい物質に導電性の良い物質を接続して静電気を逃してやることが必要になります。
つまり、接地(アース)させることで帯電を抑えることが可能です。
また、作業環境を高湿度(75%以上)にすることで、空気中の水蒸気を通して帯電していた電気を逃がすことが出来ます。
また作業着としては除電服・除電靴等も販売されています。
オームの法則
オームの法則を勉強するために、まず電気に関する用語について復習しておきましょう。
電流(I):単位時間あたりに流れる電気量、単位はA(アンペア)
電圧(V):電気的な高低差を示す圧力、単位はV(ボルト)
電気抵抗(R):電気が流れる時に発生する抵抗力、単位はΩ(オーム)
といってもわかりにくいですね・・・
よく水で例えられるのでそちらで確認しましょう。
(図はロボカモのロボット日記さんよりhttp://robokamo.jugem.jp/)
電流は水の流れる量、電気抵抗は水路の途中に設けられた水車、電圧は水流のスタートとゴールの位置の高さの差(水圧)で例えられます。
水流のスタートの高さ(電圧)が高いほど単位時間あたりの水が流れる量(電流)は多くなります。
オームの法則は《電流・電圧・電気抵抗の関係性》を示した法則です。
式で表すと以下のようになります。
V=R×I
つまり電流と電圧は比例関係が成り立ちますので、電圧を2倍にすれば電流も2倍となります。
それ以外の関係も式を変換すれば求めることができますね。
ジュール熱
ジュール熱量とは、抵抗(R)のある導体に電圧(V)をかけ、t秒間、電流(I)を流した時に発生する熱量Q
そのため、以下の式で表される。
Q=R×I^2×Δt
Q=V×I×Δt
湿度
湿度は絶対湿度と相対湿度に分けられます。
絶対湿度は、1atm環境下の空気を1m3切り取ったときどれだけの水蒸気が含まれているか質量で表したものです。
1m3中に存在できる水蒸気の量は上限が決まっていて、その上限が飽和水蒸気量(温度により変わる)を呼ばれます。
相対湿度は、飽和水蒸気量に対して絶対湿度が何%か、ということを表しています。