アルキルアルミニウム(R-Al)
指定数量10 kg
移動タンク貯蔵所:移送経路を事前に届け出ておく必要がある
アルキルアルミニウムの種類
アルミニウムにアルキル基が結合したもの
トリエチルアルミニウム:(C2H5)3Al
トリメチルアルミニウム:(CH3)3Al
エチルアルミニウムジクロライド:C2H5AlCl2
ジエチルアルミニウムクロライド:(C2H5)2AlCl
アルキルアルミニウムの性質
空気に触れると自然発火する(酸化反応)
→発生する蒸気は有毒:呼吸器系の障害を引き起こす
水と接触すると激しく(爆発的に)反応する
→発生するガスが発火
→アルキルアルミニウムが飛散する
高温で不安定(分解)
→200℃程度でアルミニウムとエタンやエチレン、水素、塩化水素に分解
炭素数やハロゲン数が少ないほど反応性が高い
有機溶剤(ベンゼンなど)に溶かすと反応性が低下する
アルキルアルミニウムの取り扱い
空気との接触で発火、空気中の水分とも反応する
→真空中や不活化ガス(窒素など)の中で取り扱う
アルキルアルミニウムの消火
水や空気、ハロゲン化物と激しく反応する
アルキルリチウム(R-Li)
指定数量10 kg
移動タンク貯蔵所:移送経路を事前に届け出ておく必要がある
アルキルリチウムの種類
リチウムにアルキル基が結合したもの
メチルリチウム:CH3Li
エチルリチウム:C2H5Li
ノルマルブチルリチウム(n-ブチルリチウム):C4H9Li
アルキルリチウムの性質
空気に触れると自然発火する
水やアルコールと接触すると激しく反応する
メチルリチウム以外はジエチルエーテル、ベンゼン、パラフィン系炭化水素に溶ける
アルキルリチウムの取り扱い
空気との接触で発火、空気中の水分とも反応する
→真空中や不活化ガス(窒素など)の中で取り扱う
アルキルリチウムの消火
水や空気、ハロゲン化物と激しく反応する
アルキル基|おまけ
アルキル基とは
アルキル基とはアルカン(メタン系炭化水素:炭素が全て単結合で結合したもの)から水素原子が1つ外れたものを言います。
つまり、アルカンの水素が外れた部分にアルミニウムが結合しているものになります。
アルキル基の結合数
アルキルアルミニウムにはアルキル基が3個、アルキルリチウムにはアルキル基が1個結合しています。
先述の通り、アルキル基はアルカンから水素が1つ外れた状態となります。
つまり、下のような状態となっておりアルキル基の酸化数は-1(マイナスの手が1本)となります。
それに対し、アルミニウムはイオン化するとAl3+(酸化数は+3:プラスの手が3本)、リチウムはLi+(酸化数は+1)となります。
よって、アルミニウムにはアルキル基が3つ、リチウムにはアルキル基が1つ結合することになります。
ちなみに、ハロゲンはイオン化すると酸化数が-1(例:Cl-)となるため、アルキル基の代わりに結合することができます。