危険物取扱者:甲種(こう)・乙種(おつ)・丙種(へい)に分けられる
危険物取扱者の免状交付者:都道府県知事
危険物取扱者は危険物保安監督者の要件
危険物取扱者とは
危険物取扱者とは、消防法に基づく危険物を取り扱ったり、その取り扱いに立ち会うために必要となる国家資格である(Wikipediaより)
甲種危険物取扱者
全ての種類の危険物の取り扱い及び立ち会いが可能です。
また、全ての危険物について危険物保安監督者になることができます。
乙種危険物取扱者
第1類~第6類の危険物それぞれに試験がある。
1種類ごとに資格を取得することが可能。
取得した種類の危険物の取り扱い及び立ち会いが可能です。
また、取得した種類の危険物について危険物保安監督者になることができます。
丙種危険物取扱者
第4類の危険物のうち、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油及び引火点130℃以上に限る)、第4類石油、動植物油類のみ扱うことができるが、立ち会いはできません。
また、危険物保安監督者になることもできません。
免状の種類 | 取り扱える危険物 | 立ち会える危険物 |
甲種 |
全ての類(第1類~第6類) | 全ての類(第1類~第6類) |
乙種 | 取得した類 |
取得した類 |
丙種 | 指定された危険物 |
立ち会いは不可 |
危険物取扱者になるには
各都道府県にある一般財団法人消防試験研究センターが行っている危険物取扱者の試験に合格する必要があります。
甲種・乙種・丙種はそれぞれ受験資格があるので、自分が受験資格をもっているか予め確認をしましょう。
免状の交付申請
試験に合格したら都道府県知事から免状を交付してもらうことで晴れて危険物取扱者となることができます。
合格後の免状交付申請は試験を受けた都道府県知事に行います。
交付された免状は全国どこでも有効で、有効期限(更新が必要になる)は10年となっています。
免状の書き換え
氏名、本籍に変更があった場合、免状を交付した都道府県知事又は居住地もしくは勤務地の都道府県知事に対して書き換え申請を行います。
また、添付写真は10年以内の写真である必要があります。よって、10年ごとに添付資料の写真について書き換え申請が必要になります。
免状の再交付
免状が紛失、破損等した場合は再交付の申請が必要です。
再交付の申請は免状を交付した都道府県知事、書き換えをしたことがある場合は書き換え申請をした都道府県知事に行います。
免状の返納
都道府県知事は必要に応じて免状の変更を命じることができます。
▼ 返納を命じられる要件 ▼
消防法 第十三条の二
4 都道府県知事は、左の各号の一に該当する者に対しては、危険物取扱者免状の交付を行わないことができる。
一 次項の規定により危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して一年を経過しない者
二 この法律又はこの法律に基く命令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者で、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しないもの
5 危険物取扱者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反しているときは、危険物取扱者免状を交付した都道府県知事は、当該危険物取扱者免状の返納を命ずることができる。
つまり、以下の条件の場合に返納を命じられる可能性があります。
・都道府県知事から免状の返納を命じられて、その日から1年が経過していない場合
・消防法(及び消防法の命令の規定)に違反して罰金以上の刑に処せられたもので、その執行が終わる、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過していないもの
保安講習
危険物の取り扱い作業に従事している場合
都道府県知事が行う保安講習を3年以内ごとに受講する必要があります。
危険物取り扱い作業に従事していなかった場合
従事することになった日から1年以内に受講する必要があります。
ただし、従事することになった日から過去2年以内に免状の交付を受けているか、講習を受けている場合には、免状交付日又は講習を受けた日以降の、最初の4月1日から3年以内に受講する必要があります。
危険物の取り扱いに従事していない場合
受講の義務はありません。
自主保安体制
危険物による災害の発生を防ぐために、自主的な保安体制を確立しておく必要があります。
危険物の保安体制としては、危険物保安統括管理者、危険物保安監督者、危険物施設保安員が制度化されています。
危険物保安統括管理者
資格
危険物取扱者の資格は必要ありません。
事業所の事業に関する統括する責任を有するものである必要があります。
意義
大量の危険物を貯蔵、取り扱う製造所等では複数の製造所・貯蔵所・取扱所を有する場合があり、保安活動が連携的に行うことができなくなってしまう可能性があります。
よって、連携的な保安活動を行うために危険物保安統括管理者を置きます。
・指定数量の倍数3000倍以上の製造所と一般取扱所
・指定数量以上の移送取扱所
以下の製造所等は除外
・ボイラー・バーナーなどで危険物を消費する一般取扱所
・車両に固定されたタンク等に危険物を注入する一般取扱所
・容器に危険物を詰め替える一般取扱所
・油圧装置、潤滑油循環装置等で危険物を取り扱う一般取扱所
・鉱山保安法の提供を受ける製造所、移送取扱所又は一般取扱所
選任と解任
選任は、製造所等の所有者・管理者・占有者が選任し、市町村長等に遅滞なく届け出ることが必要になります。
解任は、市町村長等が製造所等の所有者・管理者・占有者に命ずることになります。
解任命令は以下の状況において発せられる場合があります。
・危険物保安統括管理者が消防法などに違反した場合
・業務を継続することが公共の安全維持や災害発生の防止に支障を来す可能性がある場合
危険物保安監督者
資格
甲種又は乙種危険物取扱者の資格が必要です。
また、6ヶ月以上の危険物取扱の実務経験が必要です。
意義
・作業者に危険物の取扱いに関する貯蔵・取扱いの指示を与える
・火災発生時に作業者に指示を出して応急処置を講じるとともに、直ちに消防機関へ通報する
・危険物施設保安員に対して指示を与え、監督する
・危険物施設保安員を置かない場合は、その業務を行う
選任と解任
選任は、製造所等の所有者・管理者・占有者が選任し、市町村長等に遅滞なく届け出ることが必要になります。
製造所・屋外タンク貯蔵所・移送取扱所・一般取扱所(ボイラー、バーナー等で危険物を消費する施設を除く)においては、指定数量の倍数に関係なく危険物保安監督者を選任する必要があります。
解任は、市町村長等が製造所等の所有者・管理者・占有者に命ずることになります。
解任命令は以下の状況において発せられる場合があります。
・危険物保安統括管理者が消防法などに違反した場合
・業務を継続することが公共の安全維持や災害発生の防止に支障を来す可能性がある場合
危険物施設保安員
資格
危険物取扱者の資格は必要ありません。
意義
危険物保安監督者の下、その構造及び設備に関わる保安業務を行います。
・施設維持のための定期点検、臨時点検の実施、記録及び記録の保存
・施設の異常を発見した場合に、危険物保安監督者等への連絡
・火災が発生したとき(火災の危険性が高いとき)の応急措置
・計測装置や制御装置、安全装置などの機能保持のための保安管理
・その他、施設の構造や設備の保安に必要な業務
選任と解任
製造所等の施設毎に、所有者・管理者・占有者が専任しますが、届け出の義務はありません。
※ただし、消防本部や市町村等が条例等により届出を義務付けている場合もあります。