物質の三態:「気体」「液体」「固体」→温度や圧力で状態が変わる
密度と比重:密度は単位があり、比重には単位がない
物質の三態
物質の状態は「気体」「液体」「固体」の三種類があります。
水(H2O)で言うなら《気体=水蒸気》《液体=水》《固体=氷》ですね。
この3つの状態変化を表したのが下の図です。
また、それぞれの変化の名前も一緒に覚えましょう。
凝集:気体→液体 蒸発(気化):液体→気体
凝固:液体→固体 融解:固体→液体
昇華:気体→固体 昇華:固体→気体
基本的に温度が高くなると固体→液体→気体と変化していきます。
少し難しく言うと、これは分子運動が熱(エネルギー)によって活発になり分子の距離が遠くなることに起因します。
また、圧力を加えると気体→液体→固体と変化します。
これは外から圧力で抑えられて分子同士が近くなることを想像するとわかりやすいかもですね。
物質ごとに圧力と温度での状態を表したのが下の図です。
大気圧(1atm=1.013×105)
出典 https://ja.wikibooks.org/wiki/高等学校化学II/物質の三態
※水は圧力をかけると固体→液体に変化する特殊な物質です。アイススケートでは刃が氷に圧力をかけることで表面が液化して滑るようになります。(氷は濡れていないとほとんど滑りませんよ)
ちなみにドライアイスは何の固体かご存知でしょうか?
正解は二酸化炭素(CO2)です。
ドライアイスは普通の環境(大気圧)ではどんどん気体になっていきます。これは液体の状態を経由しないので「昇華」ということになります。
二酸化炭素の液体はかなり高い圧力でないと得ることができないわけです。
密度と比重
密度というのはある物質1cm3(1mL)あたりの質量のことで、単位はg/cm3となります。
水25℃の密度は0.997g/cm3です。
ちなみに水(H2O)は4℃の時最も体積が小さく(密度が大きく)なる物質です(4℃での密度は1.000g/cm3)。つまり、氷(0℃以下)の状態では液体の水より密度が小さくなるため固体が液体に浮かぶという現象が見られます。
では比重とは何でしょうか。よく密度と比重は混同されてしまうことが多いので注意が必要です。
比重というのは対象としている物質の密度に対する別の物質の密度の比になります。
対象物質をA物質、別の物質をB物質とすると、B物質の比重は《B物質の密度÷A物質の密度》で表されます。
ここで重要なのは分母・分子とも単位は同じですので単位が消えて、単位がなくなるという点です。
つまり、比重には単位はありません。比重X g/cm3と記載されているのは間違いということになります。
さてここで「液比重」と「蒸気比重」について簡単に説明します。
液比重
「液比重」とは対象物質を4℃の水としたときの液体の比重という意味です。液比重が1より小さいといことはその物質は水の密度より小さい、つまり水に浮くということを示しています。逆に液比重が1より大きければ水に沈むということを示します。
ガソリンの液比重は0.65~0.75ですので、水に浮きます。水溜りの表面にガソリンが浮いているのを見たことないですか?
蒸気比重
「蒸気比重」とは対象物質を空気としたときの気体の比重という意味です。つまり蒸気比重が1より小さい場合は空気より上に行き、1より大きければ空気より下に行きます。
一酸化炭素の蒸気比重は0.96ですので、空気より上に行きます。火事の時、窒息の原因となる一酸化炭素は空気より上にあるので、身をかがめて一酸化炭素を吸わないように行動しなければなりません。