貯蔵所:容器に入った危険物を貯蔵する施設
容器を貯蔵する場所によって屋内貯蔵所、屋外貯蔵所に分けられる
屋内・屋外貯蔵所とも、設置基準には保安距離と保有空地の両方が設定されている
屋内・屋外貯蔵所とも保有空地の基準は指定数量に依る
屋内貯蔵所
屋内貯蔵所は容器に入った危険物を、建物の中で貯蔵する施設です。
屋内貯蔵所では第2類危険物の硫黄と引火性固体、及び第4類危険物の特殊引火物とガソリンは保管できません。
保安距離と保有空地
保安距離は、製造所等の種類によらず決められているものです。
屋内貯蔵所には保安距離を定めないといけない、という点を押さえておきましょう。
保有空地は指定数量の倍数によって広さが変わってきます。
指定数量の倍数と必要な保有空地に広さは以下の通りです。
指定数量の倍数 | 保有空地の広さ(距離) | |
壁・柱・床が耐火構造 | 壁・柱・床が耐火構造以外 | |
≦5 | ― | 0.5 m以上 |
5<、≦10 | 1 m以上 | 1.5 m以上 |
10<、≦20 | 2 m以上 | 3 m以上 |
20<、≦50 | 3 m以上 | 5 m以上 |
50<、≦200 | 5 m以上 | 10 m以上 |
200< | 10 m以上 | 15 m以上 |
屋内貯蔵所の構造基準
・見やすい箇所に「危険物屋内貯蔵所」と「火気厳禁」を掲示する
・貯蔵倉庫は独立した専用の建物とする
・地面から軒までの高さ(軒高)が6 m未満の平屋建てとする
・第2類及び第4類の危険物のみの貯蔵所は軒高を20 m未満とする
・床面積は1000 m2以下とする
・壁、柱、床を耐火構造、梁を不燃材料で作る
※延焼の恐れがある外壁には出入口以外の開口部を設けない
・屋根を不燃材料で作り、軽量な不燃材料でふく(覆う)とともに、天井は設けない
・窓、出入口に防火戸を設ける
※延焼の恐れがある外壁に設ける出入口には自動閉鎖の特定防火設備を設ける
・窓や出入口にガラスを用いる場合は網入りガラスとする
・液状の危険物を取り扱う場合、床を危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜及び貯留設備を設ける
・採光、照明、換気の設備を設ける
・引火点が70℃未満の危険物を貯蔵する場合は、内部に滞留した可燃性の蒸気を屋根上に設置する
・静電気を発生させる可能性がある場合は除電装置(アース:接地導線)を設ける
・指定数量の倍数が10以上の場合、避雷設備を設ける
屋外貯蔵所
屋外貯蔵所は容器に入った危険物を、建物の外で貯蔵する施設です。
屋外にドラム缶がたくさん並べられているような所が該当します。
屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物は以下の通りです。
屋外貯蔵所で貯蔵できる危険物 | |
第2類 | 硫黄 |
引火性固体(引火点0℃以上) | |
第4類 | 第1石油類(ガソリンを除く) |
第2石油類 | |
第3石油類 | |
第4石油類 | |
動植物油類 |
ガソリンと特殊引火物は屋外貯蔵所で保管できません。
保安距離と保有空地
保安距離は、製造所等の種類によらず決められているものです。
屋外貯蔵所にも保安距離を定めないといけない、という点を押さえておきましょう。
保有空地は指定数量の倍数によって広さが変わってきます。
指定数量の倍数と必要な保有空地に広さは以下の通りです。
指定数量の倍数 | 保有空地の広さ(距離) |
≦10 | 3 m以上 |
10<、≦20 | 6 m以上 |
20<、≦50 | 10 m以上 |
50<、≦200 | 20 m以上 |
200< | 30 m以上 |
屋外貯蔵所の構造基準
・見やすい箇所に「危険物屋外貯蔵所」と「火気厳禁」を掲示する
・排水の良い場所とする
・危険物を扱う場所の周囲には柵を設ける
・柵内の面積は100 m2以内とする
・2つ以上の柵を設ける場合は、それぞれの面積の合計が1000m2以下とする
※隣接する柵同士の間隔を保有空地の1/3以上確保する
・柵は不燃材料で作り、硫黄などがもれない構造であること
・柵の高さは1.5 m以下とすること
・架台(棚)を設ける場合は高さ6 m未満とする力