原子:すべての物質の基本的な構造を担う粒子、単体では特徴をもっていない
元素:原子を原子番号(陽子数)ごとに分類したもの
分子:いくつかの原子が結合したもの、分子になることで特徴を持つ
単体(純物質):1種類の元素で構成される物質→1種類の元素記号で表される
化合物(純物質):2種類以上の元素で構成される物質→1種類の分子式で表される
混合物:複数の単体や化合物が混じり合った物質
同位体:同じ元素記号(原子番号)の位であるが、中性子数が異なるもの
同素体:同じ元素からなる単体であって、性質が異なる物質
異性体:分子式は同じだが性質が異なる物質
原子
原子とは全ての物質を構成する基本的な粒子のことです。
私達の体も、道端の石も、拡大してみると原子が寄り集まって出来ているのです。
まずは原子について詳しく確認していきます。
原子の構造
原子の中心部では正電荷(+)を持つ陽子と、電荷を持たない中性子というものが原子核というものを構成しています。また、原子核の周辺では負電荷(-)を持つ電子が回っています。
基本的に陽子数と電子数は等しく、原子としては電荷の傾きがない状態となっています。
そのため、電子(-)が1つ無くなると+側の数が多くなり陽イオン(プラスイオン)、電子が1つ増えると陰イオン(マイナスイオン)と呼ばれるようになります。
原子番号
原子核中の陽子の数を原子番号と呼びます。
原子番号順に元素を並べて似た性質ごとに分類した人がメンデレーエフさんで、並べた表のことを周期表と呼びます。(周期表は受験のミカタさんWebページより拝借)
受験のミカタ様HPより
原子を構成する陽子、中性子、電子の内、陽子と中性子は似たような質量を持っています。
この2つと比較して電子は質量がとても小さいものです。
そのため、原子の質量は陽子+中性子の数が左右します。
この陽子数+中性子数のことを質量数と呼びます。
ここで炭素を例にして確認してみましょう。
炭素を元素記号で表すとC(Carbonの頭文字)ですね。
自然界に存在する炭素のほとんどは陽子6個、中性子6個、電子6個の構成となっています。
原子番号は陽子数ですので、炭素の原子番号は6となります。
質量数は陽子数+中性子数ですので、炭素の質量数は12となります。
陽子数と中性子数はイコールの場合が多いですので、原子番号×2=質量数となっているものが多いです。
同位体
同位体とは陽子数は同じ(原子番号は同じ)であるが、中性子数が異なる原子のことを言います。
炭素を例に取ってみると、陽子数が6個に対して中性子が6個のものと7個のものが存在します。(他にもありますが、自然界で安定に存在するのはこの2つ)
そのため炭素には質量数12と13のものが存在することになります。
原子量は炭素原子の質量を12とした時の、それぞれの原子の質量を表したものです。
例えば酸素(O)であれば16、硫黄(S)であれば32となります。
ちなみに原子量には単位がありませんのでご注意を!
ここで周期表を見てみると・・・塩素(Cl)の原子量が35.5・・・
原子量はほぼ質量数ですが、なぜ小数点がでてくるのでしょうか?
このカラクリは同位体の存在比を考えなければいけません。
塩素は原子番号(陽子数)が17で、中性子が18と20のものが3:1で自然界に存在しています。
つまり質量数35と37が3:1で存在していますので、質量数の平均を取ると35.5になるのです。
分子
続いて分子について確認していきましょう。
分子の構造
分子は原子がいくつか結合したものです。
原子そのものは特徴を持っておらず、分子になることでその特徴を発揮します。
例えば酸素、原子はOで表されます。
しかし、空気中に存在している酸素は原子が2つ結合したO2という分子型で存在しています。
このO2という酸素が呼吸して人の活動に使われたり、物を燃やすことができる性質を持ちます。
また、炭素原子(C)と酸素(O)が結合して二酸化炭素(CO2)が出来ます。
つまり分子を構成する原子は必ずしも一種類ではなく、数種類の原子が結合することで様々な特徴を持つ分子を作ることができるのです。
同素体
同素体とは、同じ一種類の元素からなる分子であって、性質が異なる物質を言います。
有名なもので言えば、炭素で構成される物質である黒鉛(鉛筆の芯)とダイヤモンドです。
中身は同じ炭素なのに見た目から、硬さから、(値段も)全く違いますよね。
詳しくは説明しませんが、炭素原子同士の結合の仕方が違うのが性質の違いとなっています。
分子量は分子の中に含まれる原子の原子量の合計となります。
酸素(O2)であればOの原子量16×2個で分子量32、二酸化炭素(CO2)であればCの原子量12も合わせて分子量44となります。
原子量の総和ですので、分子量も当然単位を持っていない数字になります。
異性体
異性体とは、2種類以上の元素で構成される分子のうち、分子式が同じ(分子量も同じ)であっても性質が異なる物質を言います。
例えば、エタノールとジメチルエーテル(共に分子式はC2H6O)が異性体の関係にあります。
物質の分類
物質は先ず大きく純物質と混合物に分けられます。
純物質は更に単体と化合物に分けられます。
単体
まず、単体とは1種類の元素で構成される物質です。
例を上げると、酸素(O2)や鉄(Fe)などが単体にあたります。
つまり分子式で表すと一種類の原子記号しか出てきません。
化合物
次に、化合物とは2種類以上の元素で構成される物質を言います。
例を上げると、二酸化炭素(CO2)や塩化ナトリウム(NaCl、いわゆる塩)などが化合物にあたります。
つまり分子式で表すと二種類以上の原子記号が出てきます。
純物質と混合物
単体も化合物も一種類の分子式で表されるため、合わせて純物質と呼びます。
純物質に対して、混合物とは先に説明した単体や化合物が複数混ざった物質を言います。
例を上げると、空気(窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化炭素(CO2)など)や食塩水(水(H2O)と塩化ナトリウム(NaCl))、石油(様々な炭化水素(炭素と水素が結合したもの)を含む)があります。
つまり、分子式では表すことが出来ない物質になります。