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熱の伝わり方

熱の伝わり方

熱量:熱のエネルギー量のこと。単位はカロリー(cal)やジュール(J)。

1 cal=4.186 J

熱の伝わり方

エネルギーは高い方から低い方へ移動していきます。ですので熱(エネルギー)は高温部から低温部へと移動していきます。まあ、逆向きだったら温度高いところはどんどん高く、低いところは更に低くなってしまうので、ありえないのは想像に難くないですね。

 

では、熱はどのようにして移動していくのでしょうか。

移動方法としては《伝導・対流・輻射(放射)》の3つがあります。

鍋に水を入れてガスコンロで加熱することを例に考えてみましょう。

伝導

熱エネルギーが物質の中を直接伝わっていく現象です。

ガスコンロの炎から鍋の底がエネルギーを受け取ります。そうすると、鍋底はどんどん温度が上がっていきますが、鍋の縁部分は最初冷たいままです。しかし、時間が経つに連れ、鍋底のエネルギーがその周辺の鍋側面に移動していき、終いには縁部分までエネルギーが伝わっていきます。

対流

温度差によって流体(液体や気体)が上昇・加工してエネルギーが移動する現象です。

鍋の中の水(液体)は鍋底からエネルギーをもらって、鍋底付近の水の温度が上昇していきます。エネルギーをもらった水分子は分子運動が活発となり、高温部は分子密度が低下していきます。密度が低い部分には密度の大きい上辺部分(温度低い)が沈んでいくため、水の流れが発生します。

輻射(放射)

熱が熱線(赤外線)となって空間を伝わっていく現象です。

放射では介在物がなくても(真空状態)でも熱が伝わっていきます。

熱の伝わり方

熱の伝わりやすさ

熱の伝わりやすさは固体が最も伝えやすく、液体、気体の順に熱が伝わりにくくなります。

また、熱エネルギーの伝わりやすさを示す尺度として熱伝導率というものがあります。

熱伝導率は物質によって異なりますが、熱伝導率が高い物質は、すぐに熱を伝えることができるため、物質そのものに熱が残りにくくなっています。

また、熱伝導率が高いものほど燃焼しにくくなっています。

物質の三態と熱の伝わりやすさ

金属の熱伝導

金属は熱伝導率が高い物質の代表格です。

金属に触れるとヒヤッとしますよね?あれは、体表面の熱が金属に移動することで体温が下がっている状態です。

 

金属の中でも特に熱伝導率が大きいのが銀(Ag)です。

また、アルミニウム(Al)も熱伝導率が大きいです。

そのため銀やアルミニウムでできたスプーンは体温を伝えやすく、アイスを食べるときにアイスを溶かしてすくい易くしてくれます。

逆に金属の中でも熱伝導率が低いのがスチールです。スチール缶はアルミ缶と比較して熱伝導率が低いため、温かい・冷たい飲み物を買った時に冷めにくいという特徴があります。

粉体

ここで1点気をつけなければいけないのが《粉体》です。

粉体は細かい固体の集まりですが、固体の間に気体が含まれているため、熱伝導率が低くなります。

先に説明したとおり、熱伝導率が高いほど燃焼しにくく、熱伝導率が低いほど燃焼しやすくなります。

そのため、固体であっても粉体は燃焼しやすい状態です(熱が逃げにくく引火点に到達しやすい)。粉体爆発という単語はみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

アルミニウム粉や鉄粉、亜鉛粉は消防法上は可燃性固体に分類されています。

 

Mt.フジ
Mt.フジ
ではでは、 本日はこのへんで、ごきげんよう!